審査員と審査基準(JDSFのHPより抜粋)

審判員の資格とその心得 競技会の受付を済ませプログラムを貰って、まず見るのは出場メンバーと審査員が誰かな?というところです。
プロの競技会では、同じ程度の選手をどちらか選ぶとすれば、当然自分の教室の生徒に良い点を付ける。
これはもし私が審査員をしても同じだと思います。教えていることを踊っているのですから。
どの程度の差までチェックを付けるかは審査員個々の考え方の範囲内ということでしょうか?
踊りの好みの問題とは良く云いますが、決勝に残った時でも、1回戦から点を入れてくれない審査員がいると
なにが悪かったのかな?。踊りを評価するポイントが違うのかな?、悪いところを見られたのかな?
それほど差がないと言うことかな?などと色々考えてしまいます。抜群の踊りをすれば良いとはいうけれど・・
そこで審判員が、どのような所を見るのか審判基準などを書いてあるJDSFのHPから抜粋して見ました。
審査基準と審判の目
審判員としての活動の魅力
第10条(曲の演奏時間とテンポ)
審査基準

審判員の資格とその心得

人を審査するという事は大変な責任のある仕事です。どの選手に何の根拠があってチェックを入れたのか入れなかったのか、どうして1位又は6位なのか、私たち審判員は各自それなりの根拠を持っています。
しかしながら競技に出場している選手には、自分たちと同時に踊っている他のカップルの比較ができません。なぜ、どうしてが必ず審査には伴いますが、比較対照による審査である以上説明の仕様がないのです。こうした事から審査基準の中に、競技終了後、選手からの質問に答える必要は無いと規定が入っているのです。
逆に、こうした責任を負う審判員ですから、審判になる為に厳しいチェックを受け、これを乗り越えた方々には、自信を持ち厳正な審判員として活躍して頂きたいと思います。

 D級審判員も昨年からスタートし、東北ブロックで7名、関東で5名程の方が資格を得ておられます(一部研修中)。今後皆様とも顔を合わせていきますので宜しくお願いいたします。
一方、審判員は選手の皆様からはどう見られているのでしょうか。審判員の中にはサークルで指導したりしている方もおります。
私自身も競技会に行きますと長い間に顔見知りの人や、他大学のOBが選手として出場されていたりで、つい話しかけられたりします。しかし競技会中は選手の方達とは話してはならないという規定があり、いつもこの件では苦しみます。例えばある駅から競技会場へ向かうのにタクシー乗り場で、たまたま居合わせた審判員と選手が会場まで同乗し、審判員が料金を払った事がありました。
後日、本部へその選手への依怙贔屓だと投書があったそうです。また審判員がジャッジペーパーの下に当日のプログラムを挟んで審査していたところ、何かのメモではないかとの投書があったとの事。
審判員は公正で厳格な人達ですが、選手の方々からは猜疑の目で見られている事もあるという事をご理解頂けますでしょうか。
こうした事から審判員の心得として、競技会当日は選手と一定の距離を保つよう指導がありますので、選手の皆様にもご理解頂きたく思います。決してお高く冷たい訳ではありません。むしろこの選手のここを直すと良くなるとか、様々な思いを持ち審査している優しい審判員がほとんどです。例えごく一部の方からでも審査の内容についての疑問を持たれることの無いようにと、審判員も更に努力しておりますので、宜しくお願いします。

審査基準と審判の目

 JDSF審判部の審査基準はIDSFの審査基準に準じており、内容は別記の通りです。読んで頂ければご理解頂けるかとは思いますが、私の経験から社会人選手の方々のベーシックに対する理論と理解度に大きな問題があるのを感じます。
審査はタイミングとベーシックリズムを中心に、ボディーライン、ムーヴメント、リズミックインタープリテーション、フットワークと総合的に行われますので、基本についての理解が正しくなければ、なかなか予選・決勝と残ってはいかれない事になります。正しい理論をいかにして学ぶかが最も早く上達する道だと、私は思います。ただ2級クラスまでの選手の方々には音楽を良く聴き、タイミングを外さず、スタイルをベストでキープする努力により審査員の目を集める事は出来ると思います。
 我々審判員が困る選手は、使用するグループにより良かったり悪かったりが激しく、ムラの多い選手と、ラテンで背番号を審判員に見せてくれない選手です。
アマチュアの審判は公平に審査をすることを基準においている事は前述しましたが、選手の方々はご自分の背番号を審判員に見せる努力をして下さい。回転量がある筈なのに待っていても背番号を見せてくれない選手がかなりいます。
ラテンの場合は審判員が自分で回って見に行くことにしていますが、本来選手がアピールしなければならない事であり、大変不利な事になりますので十分注意して頂きたいのです。

 1分30秒程の審査時間に12組の選手が出場した場合、均等に見ても1カップル7.5秒しか見ることが出来ません。審判員は全体を見て音楽・スタイル・ムーヴメントの良い選手を中心に、総合的に何組かをピックアップします。総合的に見て結論の出せない選手が残ります。
こうした選手の判断には審判は時間をかけます。時間の無い中での判断ですから、欠点を多く出した選手が敗れる事になります。バリエーションも使い方では自己満足だけになる事も頭に入れておいて頂きたいと思います。審判はベーシックを踊っている姿でどの程度のレベルかを判断します。2級以下の選手の方々には、この点十分注意して頂きたいと思います。

 1級から上のレベルとなりますと、ムーヴメントの大きさや、リズミックインタープリテーション等、更に上の項目が重要視されてきます。また、競技選手の服装やメークアップも好印象になる様に注意して頂ければ、なお結構だと思います。


審判員としての活動の魅力

 これまでとりとめもなく述べてきましたが、審判をしていてうれしいことがいくつかあります。
まず一点は、この選手はこの欠点を直したら伸びるのにと思っていた選手が、ある日思った通りに成長した姿を見せてくれた時です。過去、社会人の競技会からC級まで進んでいる選手もおり、嬉しい限りです。また、審判員よりも年輩の選手の方が頑張りそして楽しんでいらっしゃる姿を拝見する時です。
勝負には皆さん勿論こだわりがあると思いますが、競技会に出場するという目的を持ち、活き活きと競技会に出ておられる姿は見ていて楽しくなります。勝ち負けばかりを意識しているのではなく、きっと普段のサークル活動の楽しさを体現されているのだと思います。ダンスが楽しめるダンスであり、多くの違った人達と交流の出来る事が楽しみになっているのではないでしょうか。審判部員もかつてはライバルであった人達でいっぱいです。皆、昔話や技術テクニックの話で盛り上がります。決して日常の仕事の中では味わう事がない、温かな中での人と人の交流があります。

競技の世界では過去の人となった審判員ですが、お互いを認め合い尊重し合って共にダンスに携わっていくという魅力が、ハードな審判員という責務に対しても応えていける原動力となっているのではないでしょうか。私も他の審判員の皆様に会うのを楽しみに競技会に参ります。
競技選手が様々な条件と結果の中でもチャレンジ精神を無くさないのと同様に、審判員も昔の仲間との交流と皆さんそれぞれの選手の方々との交流を楽しみに競技会に臨んでいる事は間違いない事だと、私は確信しております。 

 以上が審判部のあらましでしょうか。まだまだお伝えしたい事は沢山残っておりますが、審査や審判員について多少ともご理解頂けたら幸いに思います。今後ともJDSF審判部は公平・厳正にかつ質を高めて参ります。
何卒宜しくお願いいたします。

第10条(曲の演奏時間とテンポ)

  1. 公認競技会の決勝戦では、曲の演奏時間を1分30秒以上とし、予選及び準決勝では、1分15秒以上とする。ただし、ヴィニーズワルツとジャイヴは、1分以上とする。
  2. 各種目のテンポは、原則として、
    • ワルツ(30)
    • タンゴ(33)
    • ヴィニーズワルツ(60)
    • スローフォックストロット(30)
    • クイックステップ(50)
    • サンバ(50)
    • チャチャチャ(30)
    • ルンバ(27)
    • パソドブレ(62)
    • ジャイヴ(44)

    を標準とする。

11.  時間とテンポ 競技会のすべてのラウンドにおいて、
音楽演奏時間は
ワルツ、タンゴ、スローフォクスト ロット、クイックステップ、サンバ、チャチャチャ、ルンバ、およびパソドブレに対して
最小 1.5 分間とする。
ヴィーニーズワルツおよびジャイブの演奏時間は最小 1 分間と する。
各ダンスに対するテンポは次の通りとする。
ワルツ 30 小節/分 サンバ 50 小節/分     
タンゴ 33 小節/分 チャチャチャ 30 小節/分     
ヴィーニーズワルツ 60 小節/分 ルンバ 27 小節/分     
スローフォクストロット 30 小節/分
パソドブレ 62 小節/分     
クイックステップ 50 小節/分 クイックステップ 44 小節/分     
音楽の種類     
すべてのIDSF競技会において、音楽はダンスの特性を持つものでなければな らない。悪い例は、ラテンダンスにおけるディスコ音楽。

審査基準

  • 審査項目
    1. タイミングとベーシックリズム
    2. ボディライン
    3. ムーブメント
    4. リズミックインタープリテーション(リズムの演出表現)
    5. フットワーク

    全てのダンスにおいて、タイミングとベーシックリズムが他の審査項目より優先される。即ち、あるカップルがこの項目で繰り返してミスを犯すならば、このダンスでは最下位とされなければならない。

    審査項目2〜5は同じ重要性である。即ちこれらの項目のどれも、他の項目に対して高く評価されてはならない。

  • 基本ルール

    審査はカップルがダンシングポジションを取ったときに始まり、音楽が終わったときに終わる。即ち、審査員は踊っている間に採点し、必要ならば修正をしなければならない。

    もしあるカップルが途中で踊ることを中止した場合、そのカップルはそのダンスで最下位となる。もしこれが決勝で起こった場合は、そのカップルは失格となる。

    カップルは、そのダンス種目で示される演技についてのみ審査されなければならない。取得しているタイトルとか以前の成績、他の競技会や他のダンス種目での演技について配慮することは許されない。

    審査員は、競技選手に対して自分の審査結果の正当性を説明する必要はない。競技中、又は競技会やラウンド間の合間において、審査員は競技選手、又はその演技について議論してはならない。

  • 審査項目についての注意事項

    1.タイミングとベーシックリズム

    審査員は、そのカップルがインタイム(in time)で踊っているかどうか、ベーシックリズムを守っているかどうかを判定しなければならない。"インタイム"で踊るとは、ステップが音楽のビートの対して早過ぎもせず遅過ぎもせず、ちょうどそのビートに合っていることを意味する。

    "ベーシックリズムで踊る"とは、たとえばスローとクイックのように割り当てられた時間長さの中でステップが行われていること、そしてあるステップと次のステップとの正しい時間的関係を守ることを意味する。

    タイミングとベーシックリズムが間違っているカップルは、そのダンスでは最も低い採点を受けなければならない。このような間違いは、審査項目2〜5の項目においてどんなに良く踊っても取り戻すことは出来ない。

    もし複数のカップルがタイミングを外したり、ベーシックリズムなしで踊っている場合、これらのカップルの順位決定のために審査項目2から5の範囲が用いられる。タイミングとベーシックリズムに欠点のないカップルが、常に上位に順位されなければならない。

    2.ボディライン

    ボディラインの意味は、動いている間、そしてピクチュアステップの間のカップル全体に関している。

    審査が対象とするものは、

    1. アームライン
    2. バックライン
    3. ショルダーライン
    4. ヒップライン(骨盤の姿勢)
    5. レッグライン
    6. ネックとヘッドライン
    7. 右と左のサイドライン

    3.ムーブメント

    審査員は、ムーブメントがそのダンスの特性を保っているかを判定し、ライズとロウアー、スイングとカップルのバランスを審査しなければならない。もしムーブメントがコントロールされ良くバランスされている場合は、より大きいスイングの方がより良い採点と判定される。

    ラテンダンスにおいては、各々のダンスの特徴であるヒップムーブメントが評価されなければならない。

    4.リズミックインタープリテーション

    審査員は、そのダンスのリズムの演出表現について審査しなければならない。これは、そのダンスにおけるカップルの芸術的振り付けと音楽的関係の能力を示すものである。音楽を都合の良いように解釈しリズムを変えることは、"タイミングとベーシックリズム"の項目に従ってタイミングエラーと判断される危険を招く。

    5.フットワーク

    審査員は、足のボール、ヒール、トウの動作の正しい使い方、姿勢、ムーブメント、足のクローズ、そしてフットムーブメントの表現とコントロールについて評価しなければならない。

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